現在の薬局で働くことに疲れたあなたへ 納得できる職場を見つける方法

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「この薬局でずっと働いていていいのかな……?」

新人薬剤師の頃の私は、そんなモヤモヤを毎日のように抱えていました。
私はこれまで2回転職し、現在は3つ目の薬局に勤めており、そこで10年以上働いています。転職には不安もありましたが、「あの時行動してよかった」と今では心から思います。

この記事では、2回の転職を経験し、現在の薬局で10年以上働く私が、実体験をもとに

  • 初めての転職で気をつけたいポイント
  • 職場選びで後悔しないためのコツ
  • 今すぐ転職しない人も今からできる準備

についてわかりやすくお伝えします。

「このままでいいのかな」と感じているあなたの心が、少しでも軽くなるヒントになれば嬉しいです。

1つ目の薬局 とにかく学びたいで選んだ結果……

新卒で選んだのは県内で最も店舗数の多い大手薬局チェーン

社会人として、薬剤師としての基礎基本を学べると思ったのが理由です。当時は給料や休みの条件は全く気にせず、「とにかく経験を積みたい」「とにかく学びたい」という気持ちだけでした。

最初の1ヵ月は、総合病院前の薬局での研修その後は耳鼻科門前での勤務がスタートしました。加えて、本部の配慮で週一回の他店ヘルプも経験。最初は何から勉強したら良いかわからない状態でしたが、先輩たちにも恵まれいろいろ教えていただきました。

やりがいは確かにありましたが、忙しい時期は朝9時から夜9時までという勤務という日も当たり前。

それでも当時は人間関係が良かったため、不思議と苦には感じませんでした。ただ、逆に自分が成長するにつれて、どの薬局でもある程度は通用するようになり、様々な薬局へヘルプへ行くことになりました。

ヘルプや異動が多すぎて疲弊

最初はヘルプへ行くのは勉強と思い頑張っていたのですが、毎回毎回となるとさすがに大変でした。同じ系列の薬局とは言え、薬局が違うとルールも違います。ヘルプ受け入れ先の薬局の方々もすごく気を遣ってくださるのはわかるのですが、こちらも大した事はできてないのですが、変に気を遣ってしまい疲れました。

そして人が辞めると、その穴埋めで人の異動が起こりました。そういった状況が頻繁に起こり、だんだんと疲弊していきました。

辞めることを決断

当時の私は自分の希望を言うこともできず、使いやすい人材として扱われていることにだんだんと違和感を感じるようになりました。

ヘルプや異動が当然の環境、言われるがままに動く日々。ある日もう限界だと思い辞める決断をしました。

転職エージェントを初めて使う

1つ目の薬局を辞めると決めた後、私はどう職場を探すか悩みました。そんな時、ちょうど先に退職していた先輩が、使っていた薬剤師専門の転職サイトを紹介してくれました。

転職サイトといっても、ただ求人を見るだけでなく、登録すれば担当のエージェントがついて、希望条件の聞き取りから職場探し、面接のセッティングや条件交渉まで無料でサポートしてくれます。

私は人前でうまく話すのが得意なタイプではなく「自分の希望をうまく伝えられるか不安だな……」と思っていたので、間に入って交渉してくれるエージェントの存在はとても心強く感じました。

今回の転職でこだわった条件

エージェントにははっきりと次のような希望を伝えました。

🚫 異動やヘルプが少ないこと
前職では、駒のように使われる働き方に疲れてしまったため、まずはそこを避けたかったのです。

🌿 漢方(煎じ薬)を扱っていること
最初の薬局で漢方の調剤を経験し、生薬について学ぶ楽しさを知ったからです。ただ、若いうちは幅広い薬に触れたいと言う思いから、最終的には優先順位を下げました。

🏥 総合病院の門前であること
多くの診療科からの処方を学びたいと考えていました。

この時点での心境としては、「異動やヘルプはできれば避けたい」「総合病院の薬局が第一希望。」「漢方も一応見てみたい」そんな感じでした。

紹介された3店舗と最終的に選んだ理由

エージェントからは、3店舗紹介され担当の方と一緒に見学に行きました。

  • 大学病院の門前(大手チェーン薬局)
  • 総合病院の門前薬局(2店舗)

その中で私が選んだのは総合病院前の県内のチェーン店でした。

その店舗を選んだ理由

✅ 全自動分包機・円盤分包機など機器が整っている

✅ 給料・通勤時間ともに満足

✅ 面接対応が丁寧で、雰囲気も良かった

ただ1つ引っかかる点がありました。それは私が薬剤師になる前のことではありますが、その薬局が行政指導を受けたことがあるということです。

エージェントに確認したところ、今は改善されていますとの返答がありました。また、転職サイトを紹介してくれた先輩も実際にその薬局を見学しており、そういう事件があったからこそ、透明性を大切にしているという説明を受けたそうで納得ができました。

こうして私はその薬局に入社を決めました。

2つ目の薬局 総合病院前での勤務

総合病院前で得た経験と学び

忙しい中も総合病院の門前であるため、残業はほぼゼロ。土日も休み。早く仕事が終わることに幸せを感じていました。

さらに透析患者さんが多かったため、透析についても学ぶことができました。

何より驚いたのが添付文書と違う用法用量だったり、ビタミン剤の長期投与など個別指導で指摘を受けそうなことは、徹底的に疑義照会をしていました。

これは、過去に行政からの指導があったために、厳格にルールが決められていたんだと思います。

しかし、人間関係が…

面接時には天使のように思えた管理薬剤師が徐々に本性を表し始めました。私たち薬剤師への対応は、そうでもなかったのですが、事務さんに対する対応がひどく見ていてこっちまでストレスに感じました。

ただ、そうは言っても患者さんに対する対応は素晴らしくファンも多かったです。そういったところは学ぶべきところでした。

グレーなところはやっぱりグレー

心改め透明性を重視してきた薬局ですが、やはりグレーなところはありました。グレーなところが多少ある薬局は多いとは思いますが、2番目の薬局のグレーの程度が私の中では許せないことでした。

いろいろな要因が重なって退職を決断しました。

ただ、今まで学んでこなかった透析等専門的知識や個別指導について学べたことは私の財産です。

綺麗事に聞こえるかもしれませんが、どんなところであれ、最悪なところばかりではなく必ず自分にプラスになることはあると思います。ただそれに気づくのは暫く経ってからのことが多いのかもしれません。

今の薬局への転職 10年以上つづいている

2度目の転職でも私は転職エージェントを活用しました。きっかけはちょうど同じタイミングで転職した大学時代の友人が、使っていたサイトを紹介してくれたことです。

このエージェントを使って良かった点は自分の希望を正確に伝えてもらったことでした。

先ほども書きましたが、私は緊張しやすく、面接や交渉の場ではなかなか言いたいことをうまく伝えられません。そういう意味でも第三者が間に入って希望を整理し、相手に伝えてくれるのは非常に助かりました。

今回の転職で大切にした条件

3回目の転職では以下のような希望を伝えました。

🚫 異動やヘルプが少ないこと
一つ目の薬局でどうしても嫌だったので今回もこの条件を入れました。

🚗 通勤が車で30分以内の所
私は運転が得意ではないので、長距離通勤はそれだけでストレスに…。
「無理なく通える距離」であることは、毎日の生活を快適にする大切な条件でした。
朝の余裕や帰宅後の疲れの差が、本当に大きいと感じています。

🗓 有給が取りやすいこと
これまでの職場では、有給をなんとなく取りづらい空気がありました。
休める環境があるだけで、心にゆとりが生まれます。
「有給を使えるのは当然」という雰囲気の職場を探しました。

📅 土曜日、月2回休みが取れること
土曜も仕事だと、連休がなかなか取れず、プライベートの予定が立てづらい…。
かといって、毎週休みは難しいと思い、月2回という希望を出しました。

紹介された4店舗と最終的に選んだ理由

エージェントは4店舗探してきてくれました。

  • 県内に多く店舗を持つ薬局
  • 県内に数店舗もつ薬局で一つが徒歩圏内にある (2店舗)
  • 個人薬局

その中で私が選んだのは県内に多くの店舗を持つ薬局でした。
今から考えると少し恐ろしい話ではありますが、現在の薬局だけ見学しにいき、即決断しました。
本来なら勧められた薬局全てを見学すべきだったのかもしれません。

その店舗を選んだ理由

✅希望の条件が全てクリアしている

✅社員を大切にしている風土が伝わってきた

転職して良かったと感じる理由

私自身の経験から、転職を一度経験してみても良いと感じています。
その理由は大きく3つあります。

視野が広がる

複数の薬局で働くことで、薬や病態に関する知識が増えるのはもちろん、職場ごとの工夫や習慣などいろんな気づきや学びがあります

ある薬局では当たり前のことでも、他の薬局では違うということはよくあることです。
例えば今の薬局は社員のために手厚いです。健診の項目に関して、普通は自腹を切って調べる項目も無料で受けさせてくれます。

ただ、今の薬局の欠点はシステムが古いことにあります。分包機一つにしても古いです。
これを経験したことで以前の薬局の良さが分かってきます。

給料が上がる可能性がある

地方では転職してきた薬剤師の方が最初からいる薬剤師よりも給料が高いというケースが多く見られます。

実際、私は最初の薬局では比較的低めの給与スタートでしたが、転職ごとに収入はアップ。2つ目の薬局では前よりも高く出せますと言われ、3つでも同様でした。あらかじめ給料交渉を狙って転職したわけではありませんが、結果的にプラスになりました。これは1つの手段として、戦略的に使えると思います。

成長できる

視野が広がると少し似ているのですが、いろいろな経験をしてきた分、いろんな視点で物事を見ることができるようになります。その薬局の従来のやり方と自分が学んできたやり方を掛け合わせて、より素晴らしいものが出来上がったりすることもあります。

自分自身が経験したことを他のスタッフに伝えたり、逆に他のスタッフからその人の経験を聞いて、ものすごく勉強になったこともたくさんあります。経験は何にも変えがたい財産だと思います

転職を考えていない人にも準備をお勧めしたい理由

私がラッキーだったのは、転職したい時期にたまたま周囲に転職経験者がいて

  • どんなサイトを使えばいいか
  • どう条件を伝えるか

などを教えてもらったことです。

でももしそうじゃなかったら、不安や迷いがもっと大きかったと思います。

だからこそ、転職を今すぐ考えていない人でも、あらかじめ1つでも転職サイトに登録しておくことをお勧めします。

特にこんなケースは急にやってくることがあります。

✅異動先の職場の雰囲気が合わず、続けるのが辛くなった。

✅薬局が突然閉店した。

✅薬品会社の人員削減により転職せざるを得なくなった。

✅会社のトップが変わり、方針や風土が合わなくなった。

✅家族が癌になり、平日休みが取れる薬局に転職せざるを得なくなった。

実際、これらは私の周りで起こった実例です。

焦って転職を始めると冷静な判断ができなくなり、合わない職場を選んでしまうリスクが高まります。そのリスクを避けるためにも、何かあったらここに相談すると言う場所を持っておくことが安心につながります。

最後に

転職は確かにエネルギーが必要で、決して楽なものではありません。ですが、薬剤師として成長し、自分に合った働き方を見つけるための大きなチャンスでもあります。

この記事が転職に悩む誰かの背中を後押しするきっかけになれば嬉しいです。最後までお読みくださりありがとうございました。

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