【薬局薬剤師歴18年のベテラン薬剤師が考える】転職する前に考えたいこと3選

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「もう我慢できない、転職したい!でも、この程度の問題であれば、この会社で我慢した方が良いのかな?」と悩んでいませんか?

転職の決断は難しいです。

なぜなら転職により人生が大きく変わりますし、職場を変えたからといって良い環境になるとは限らないからです。

私は18年薬局薬剤師一筋で働いてきました。自分自身、2回の転職経験があり、友達や同僚薬剤師の転職の悩みをたくさん聞いています。

この記事では実体験と身近な薬剤師の経験データを元に転職すべきタイミングの考え方についてお伝えします。

転職に迷った時の一つの参考として読み進めてみてください。

現在の状況

現状

薬剤師の転職状況(2024年最新データ)

全体的な転職動向

  • 薬剤師の38.4%が6年間で1回以上、市町村レベルで勤務先が変わっていた
  • 1年以内に何らかの転職活動を行った薬剤師は全体の 29.9%
  • 将来的に転職しようと考えている薬剤師は 57.9% 

年代別の転職傾向

  • 20代: 66.7%が転職意向あり(最も転職意向が高い世代)
  • 初回転職時期: 2年目と10年目以降にピークがある
  • 転職経験率: 30代以上の90%以上が1回以上の転職を経験

📚参考

 薬剤師確保のための調査・検討事業(厚生労働省調査)
リクルートメディカルキャリア調査
薬キャリ調査

他職種との転職率の比較

薬剤師 vs 全職種平均

指標薬剤師全職種データ出典
平均勤続年数7.912.4薬剤師:axxis.co.jp記事
全職種:厚生労働省 賃金構造基本統計調査 2024年
もーちゃん
もーちゃん

薬剤師の勤続年数は全職種より短い。
つまり薬剤師は転職回数が多いという事。

その理由は以下のことが考えられます。

  1. 転職によるデメリットが少ない: 幅広く役立つ専門スキル
  2. 売り手市場の継続: 求人倍率が常に高水準
  3. 職場間での給与格差: 薬局>病院での年収差
  4. 地域格差の活用: 地方の方が高収入の傾向

転職理由ランキング

1位 スキルアップのため(28%)
2位 人間関係に不満(14%)
3位 勤務時間・残業に不満(12%)
4位 転居のため(10%)
5位 育児・介護のため(8%)
6位 給与に不満(6%)
7位 通勤時間に不満(4%)
その他 18%

調査時期: 2024年3月
調査対象: 薬剤師655名
薬キャリ(m3.com)転職実態調査

こういうデータは出ていますが、私自身が思う薬局薬剤師の転職理由は以下の通りです。

1位 人間関係に不満 8割
2位 給料への不満 1割
3位 その他 1割

薬キャリのデータと私の感覚に違いがある理由は以下が考えられます。

  • 薬キャリのデータは薬剤師全体のアンケートであった
    (私の感覚は薬局薬剤師のデータである)
  • 私は地方の薬局に勤めている

私の周りはほぼ人間関係が原因で辞めていっています。
薬局というあの狭い空間で働いていると、どんなに素晴らしい聖人君子みたいな人だったとしても嫌なところが見えてくると思います。


また、最近は穏やかな先生が多いとは思いますが、怒りっぽい先生だったり、嫌味を言うような先生だったりと近隣のクリニックとの関係で悩んでいる薬剤師もいます。

さらにカスハラ問題も増えており、あらゆる人間関係にストレスを感じる場面が多くなってきています。

転職したからといって理想通りになるとは限らない

成功とは限らない

勇気を持って、理想を描いて転職したとしても、それが明るい未来を確約したものではありません。

転職すると、勤務地が変わり、勤務スタイルが変わり、新しい人間関係になるなど、生活がガラリと変わってしまいます。

その変化が必ず良いものだとは限らないのです。

転職をする前に考えること3選

考えること3選

だからこそ転職する前にこそ考えてもらいたいことがあります。

  1. 今の薬局のメリットを洗い出す。
  2. 転職したら新たな人間関係を築かなければならないということを自覚する。
  3. どの職場に行っても必ず不満は出てくる。

現在働いている薬局のメリットを洗い出す

以前、上司が言っていたことです。

上司
上司

上層部への不満や、薬局内の人間関係への不満はある。
ただ、どこの薬局へ行ってもそう変わらないだろう。
それなら、休みを取りやすいこの薬局に残ろうと思う。

また、ある同僚は逆にこんな判断をしました。
門前の病院の先生が気難しくて有名。その病院に隣接する薬局に異動するよう言われ、即辞めることを決断。
でも、元の薬局の居心地の良さがわかり退職したことを後悔。

同僚
同僚

そんなことくらいで辞めなければよかった。

実際に久々にその薬剤師さんに会ったところ、目に見えるくらい痩せ、苦労していることがわかりました。

薬剤師は転職しやすい反面、嫌と思ったらすぐに転職を決める人が多いです。

仕事は嫌な面が見えがちですが、多くの職場はメリットもあるはず。それを冷静な目で見ていくことができたら良いと思います。

転職したら新たな人間関係を築かなければならない

これも先輩薬剤師に言われたことです。

先輩薬剤師
先輩薬剤師

この薬局は決して良い薬局とは言えないけれど、
新しい薬局に転職して、また新たに人間関係を作っていく労力を考えると今のままで良いかなと思う。

この先輩はコミュニケーション能力が高い方なのですが、それでも新しく関係を作るのは大変だと言っていました。なかなか文章では伝わらないところもあるかとは思いますが、この言葉は結構響きました。

どの職場でも必ず不満は出てくる

給料、人間関係、労働時間など、すべての条件が自分の理想通りだという人は聞いたことがありません。

給料が高ければ薬剤師数が少なく、有給が取りづらかったりしますし、逆に薬剤師数が多い薬局だと有給が取りやすい分、給料が少なかったりします。

長所の裏返しに短所があることは多いです。

転職後に後悔した経験がある薬剤師は半数以上

後悔

薬キャリによると
転職で後悔した経験がある薬剤師は53.1%。
半数以上が後悔した経験があるということです。

年代別に見ると
20~30代で36%
40~50代で60%
60代以上で53%

40代以降は半分以上が後悔しているということになります。

年齢を重ねるにつれ、冷静な判断ができそうな気がしますが、そうではなさそうです。

転職を失敗したと感じた理由は
1位 人間関係(39.3%)
2位 年収(25.4%)
3位 勤務時間(14.8%)
3位 スキルアップ(14.8%)
5位 勤務地(5.7%)

 薬キャリ転職実態調査

やはり一番理由として多いのが人間関係だとデータは示しています。

人間関係というのは薬局内ばかりではなく、

  • 上司との関係
  • 近隣のドクター、看護師、受付との関係
  • 患者さんとの関係

も含まれます。

だからこそ転職したら新たな人間関係を築かないといけないことを考えてほしいのです。

体調に変化が出た場合はすぐに転職を

鬱

今まで転職しなかった方が良かった実例を書きましたが、逆にすぐ転職した方が良い例もあります。

それは人間関係に苦労をし、体調に変化が出ている場合です。

ストレスで頭痛がする等の体調不良を経験したことがある人は多いと思いますが、それが続くようであれば即転職した方が良いです。

なぜならひどい鬱病になってしまうと回復まで時間がかかるから

抗鬱薬等のメンタル系の薬を服用している患者さんを見ている方はわかるかと思いますが、一度うつになると回復するまでに時間がかかります。

私の周りにも休職に追い込まれた人や自立支援医療を受けながら仕事をしている人がいます。

早めにストレスに気づいて対処した方が良いです。

まとめ

まとめ

私は一度は転職した方が良いと思っています。
なぜなら視野が広がり、勉強になることが多く、薬剤師としてレベルアップするからです。

ですが今回はあえて転職しない事にフォーカスして記事を書きました。

転職の決断をする前に以下の3つを考えましょう。

今の薬局のメリットを洗い出してみる。
新しい人間関係を作る労力を考える。
どの転職先でも嫌な面はあるということを理解する。


それでも転職する価値があると思えば転職に踏み切ったら良いと思います。

ただし、体調に変化が出ている場合は速やかに転職した方が良いです。ひどい鬱病の場合、治るまでに時間がかかるから。

少しでも転職したいかもという芽が出てきたら転職エージェントに登録することをお勧めします。
余裕があるうちに動けば落ち着いて比較ができ妥協も減ります。
プロの意見を聞くことで自分を客観的にみることもできます。
早めの情報収集が理想の職場への最短ルートです。

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  • 薬剤師に特化している
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詳細な比較記事は近日公開予定ですが、 まず情報収集を始めたい方にはファルマスタッフをお勧めします。

今の現状を変えるチャンスです。

最後までお読みくださりありがとうございました。

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